あなたにあったあの日は朝から雨が降っていた。 生まれた町を知らない。 生んでくれた人も知らない。 育ててくれた人はおばあちゃんで 僕に他人を憎むなといって死んだ。 僕を買ったのはおばさん。 僕に家事を教えてくれた。 僕を笑って毎日一つ傷をつけた。 僕を盗んだのは人買い。 人買いの馬車を襲ったのは山賊。 山賊を捕まえたのは兵隊。 戦火のあがる町に放り出された僕。 誰もが僕の能力を憎み、疎み 誰もが僕を愛してはくれなかった。 僕はボロ布一枚。 あるのは魂の抜けたこの身体とあの忌まわしい力だけ。 あなたに出会ったあの日は朝から雨が降っていた。 黒服の男達が僕を迎えに来た。 抜け殻の僕はだまってそれに従う。 救ってくれたのは… 流星のように現れ 大きな蝶が舞うように人を斬る 僕に心を運んできたのはあなたの澄んだ瞳− 僕はただあなたの織りなす曲舞にみとれるだけ 紡いだ深紅の雨さえもあなたを彩る飾り糸 僕に自由を運んできたのはあなたの優しい声− 「ずっと、探していた」 雨がやむ act.1 opening fin to be… 右下の素材おかりしました。 http://momo.raindrop.jp/